STORY

物語について

ある日、
太陽が昇らなくなってしまった
世界のお話。

人々はもちろん、
草木も生き物たちも、

暗くて先の見えない不安な日々に、
心が疲れ、眠れなくなってしまうのでした…

小さな吟遊詩人の「ぽえっと」は、
自分の紡ぐ物語が、
人に癒やしを与えることに気づき、
行き先のない旅に出ます。

先々で巡り合う人々を 癒やし、
勇気づけるために・・・

遠い遠いいつかの時代の
遠く離れたどこかの街で

ある朝
突然、太陽が昇らなくなってしまいました

理由は誰にも分かりません
太陽がいつ戻ってくるのか
それとも二度と戻らないのか
誰も、何も分からないのでした

太陽のいない月は
輝きを失って
暗い空のどこかに溶けてしまいました

人も
草木も
生き物たちも

みんな太陽を待ちわびて
太陽のことばかり考えて
明けない夜に怯えて
いつしか
眠れなくなっていました

世界が眠れなくなってからも
小さな吟遊詩人のポエットは
人々を励ますために
物語を紡いでいました

人も
草木も
生き物たちも

ポエットの語る物語を聞くと
少しだけ心が穏やかになったのです

ポエットは旅に出ることにしました
眠れぬ世の
ささやかな癒しとなるように・・・

太陽が消え
眠れなくなった世界で
あてのない旅に出た

小さな吟遊詩人のポエットは
住んでいた街から
遠く遠く離れたところにいました

山の向こうの
向こうの向こう

どこまでも歩いて

名前もなく
誰も知らない森にたどりついたとき

不思議な生き物に出会いました

言葉は交わしませんでしたが
気持ちは通じ合い
共に旅することになりました

ひとりぼっちだったポエットは
もう、ひとりではありません

人々のために紡いだ物語も
たくさん増えてきました

真っ暗だった世界で
震えていた心が
少し、あたたかくなりました

ポエットの旅は続きます

そしていつか
眠れぬ世に終わりが来るように・・・